5インチベイキットの基礎知識
5インチベイキットはピュアオーディオコンポーネントを自作できるキットシリーズです。
これまでずっとオーディオを趣味とされてきた方には当たり前のことでも、今回初めて5インチベイキットの製品説明を読んで内容がよく分からない方もいるかもしれません。
パソコンの自作経験はあって、オーディオにも興味があるという方のために、簡単ではありますが、ピュアオーディオで求められる基本的な事柄を何回かに分けてご説明していきます。
パソコンとiPodなどオーディオプレーヤーを使っている方は、デジタルオーディオという言葉は聞いたことがあるでしょう。
もちろん、オーディオ信号がデジタルデータとして管理されていることを指します。
1982年にCD(コンパクトディスク)が登場して以来、音楽はデジタルの形で世の中を流通するようになりました。
CDやSACDのようなディスク媒体だけでなく、最近ではネットワークを経由して流通していることは皆さんご存知のとおりです。
デジタルは0と1との集合ですので、取り出す信号に誤りがないことが利点のひとつです。
実際には様々な媒体から信号を取り出す際にエラーが発生しますが、それを誤り訂正や補正することができます。
そのためデジタルオーディオといえば、どんな機器を使っても音質に差はないと考えられがちです。
メールや文書データが利用するパソコンによってその内容が変わってしまうことはあり得ませんので、同じように考えられても無理もありません。
もっともMP3やAAC、ATRACなどデジタルオーディオでは複数の圧縮方式が存在します。
それら不可逆の圧縮方式では、そのアルゴリズムによって音質にも影響があることは容易にイメージできます。
ただ、WAVなど非圧縮のオーディオデータであれば、音質に差はないと考える方は多いのではないでしょうか。
ここで基本に立ち返って、音楽について考えてみましょう。
当然のことながら、人の声や楽器の演奏を始めとして世の中にある音源はほとんどが空気の振動からなるアナログ信号です。
そして、私たちがスピーカーから聴く音もやはりアナログです。
つまり、音源も私たちの耳に届く段階も音はアナログであり、その間にデジタルの状態があるということになります。
いささか乱暴にまとめてしまうと、オーディオは私たちの耳に届くまでにアナログ→デジタル→アナログという状態の変化を経てきます。
この間にはアナログ→デジタル、デジタル→アナログという大きな状態の変化が2回あることになります。
ピュアオーディオにおいて究極の命題は、この2回の変化を経てもいかに元の音源を忠実に再現し、その音楽性を伝えられるか、にあります。
2回の変化のうち前者を具体的に言えば、音源をマイクで電気信号に変え、その信号を様々な加工を加えた上でデジタルに変換し、CDなどのメディアに記録したり、デジタルデータのままネット配信に利用されたりする工程を指します。
つまり、オーディオが私たちの手に届く以前の工程となり、そこでは多くのプロフェッショナルが元の音源の再現性を追求しています。
それに対し、デジタル→アナログという後者の変化は、私たちの手元で起こっているものです。
確かにデジタルのデータは変化しないと言っても良いかもしれませんが、それは媒体内に保存されている状態で言えることです。
実際に再生する際には、そのデジタル信号をきれいに取り出し、必ずアナログに変換する必要があり、その過程は音質に大きな影響を与えます。
最終的に私たちの耳に届く直前のスピーカーやヘッドホンについては、その善し悪しを語られることは少なくありません。
価格もピンからキリまであって、実際に空気を震わせる役割を担っているので、イメージしやすいためでしょう。
ただし、スピーカーやヘッドホンで空気を震わせているのはあくまでアナログ信号です。
つまり、媒体からデジタル信号を取り出し、アナログ信号に変換している工程はその手前にあるのです。
その工程で中心的な役割を担うのが、その名の通りDAC(デジタル-アナログコンバータ)と言うわけです。
次回は、5インチベイキットシリーズ「DA501」を中心にDACの働きについてご案内しましょう。
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- 日時:16:30

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