PW501の基礎知識
今回はピュアオーディオで利用される電源についてご案内します。
電源とは何かを大ざっぱに言えば「入力された電気エネルギーを出力側が必要な形に変換して出力する装置」です。
必要な形への変換とは「交流を直流に」「100Vの電圧を12Vに」「1つの電圧を複数の電圧に」などいくつかのバリエーションがあります。
家庭用に提供されている電気エネルギーは交流(AC)です。パソコンやオーディオ、AV機器の内部で必要とされる電気エネルギーは多くの場合、直流(DC)です。
そのため、BayCraftシリーズをAC電源で利用する際に必要になるのは直流安定化電源と呼ばれるものです。
現在、直流安定化電源の方式としては、大きくシリーズ方式とスイッチング方式とに分けられます。
これを電源の歴史から見ると、1970年代にシリーズ電源が、1980年代にシリーズ電源の欠点を補う形でスイッチング電源が登場しました。
スイッチング電源は、入力電源を半導体により高速でON/OFF(スイッチング)することで高周波にし、変圧器や平滑回路の小型化を実現しています。
それまでのシリーズ電源に比較して、発熱も少なく変換効率を上げることに成功しました。
現在、パソコンで多く利用されるATX電源などもスイッチング電源です。
ところが、BayCraftの新製品PW501はシリーズ電源に分類されるものです。
なぜ歴史的に古いシリーズ電源を採用したのでしょうか。
それは、スイッチング電源では原理的にスイッチング時のノイズが生じるためです。
前回でも述べましたとおり、ピュアオーディオではノイズをいかに低減させるかが命題となります。
電源はあらゆる回路を動作させるエネルギー源ですので、回路がどんなに正しい動作をするものだとしても、電源が不安定であれば動作も不安定になり、音質に影響を与えます。
そのため、ピュアオーディオでは比較的ノイズが少ないシリーズ電源が使われるのです。
もっとも、電源についてピュアオーディオの世界でのこだわりはこのような電源ユニットの分類だけにはとどまりません。
コンセントの極性はもちろん、壁のコンセントにもオーディオ機器以外は接続しない、配電盤から他の家電製品とは分離する、近くの工場などの需要家が発生する高周波をクリアにするレギュレータを入れるなど、対策には限りがありません。
そうした対策の中でも、手を出しやすいのがケーブル対策です。
電源ケーブルも周りの機器から影響されるノイズを防ぐためのシールドを施したオーディオ専用のものが多く出揃っています。
PW501でもケーブルの取り扱いは議論されましたが、お客様が最もこだわる部分でもあるだけに中途半端なものは付けられないとの判断から、電源ケーブルは割愛しました。
是非、数あるオーディオ専用ケーブルからお気に入りのものを選んで使ってみて下さい。
また、PW501では+5V 2系統、±12Vを1系統出力しています。
これは、DC501、SC501に搭載している回路ごとに電源を提供していることになります。
デジタル系に+5Vを1系統、アナログ系に+5Vと±12Vを1系統ずつというGNDを含めた完全分離構成にしています。
GNDを共通にした場合に発生するGNDループのノイズを低減し、デジタル回路から発生したノイズを極力アナログ回路に回りこまないような配慮を行っています。
PW501はBayCraft製品はもちろん、同様の回路構成を取っている単体DACにもご利用いただけます。
音質面からこだわりたい電源部分ですが、なかなか入手が困難な部品もあります。
自作DAC派の方は是非ご検討下さい。
また、パソコンやDMP8623ATXとDC501を組み合わせたい方は、ATX電源を利用することを前提にされると思います。
ただ、ATX電源は前述のようにスイッチング電源ですからDACに直接接続して利用することはお勧めできません。
そこで、ATX電源から出力されるDCをオーディオ用に安定化させるDC-DC電源も準備しています。
こちらも是非ご期待下さい。
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- 日時:18:00

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